不自然なかみ合わせを放置しておくと、顎の周りや肩、首にかけての筋肉が緊張してきます。緊張により筋肉の血行が悪くなり、肩こりや頭痛などになって症状が現れます。
2010年4月 7日
歯ぎしり、食いしばりの治療について
実は、誰でも毎晩歯ぎしりを繰り返していることが最近の研究でわかっています。
歯ぎしり・食いしばりはストレスを解消する生理的・自然的な行為なので、止めることはできません。しかしながら、自然なかみ合わせの歯ぎしりなら、顎や筋肉には負担がかかりません。「歯ぎしりで顎がだるい」などの症状が現れる場合、根本的なかみ合わせ治療が必要です。
ちなみに、歯ぎしりには3つの種類があります。歯の食いしばりである「クレンチング」、横にグリグリこする「グライディング」、カチカチとかみ合わせる「タッピング」です。中でも音が出るのはクレンチングとグライディングだと言われています。しかし、普段多く発生しているのは「音のしない歯ぎしり」です。
顎関節症の症状と治療方法を教えてほしい
顎関節症の主な症状としては、
1. 筋肉の圧痛(圧迫することで生じる痛み)
慢性なので、基本痛くありません
2. 顎が鳴る
顎関節の「関節円盤」というクッション状のじん帯がずれています。
そのまま放置すれば、じん帯が切れて口が開かなくなることがあります。
3. 急性の痛み
放っておけば痛み自体は消えますが、決して治ったわけではありません。
4. 顎の突端が変形を起こす
顎の関節の軸(下顎頭)が溶けている状態です。
痛みがある場合、薬物療法で治療を行います。ひどい場合は応急的な処置(マウスピース)などで痛みを軽減します。その後、歯科治療を行い、自然なかみ合わせに誘導することが重要です。ちなみに当院では、マウスピースの長期使用は顎に負担がかかるためお勧めしておりません。
顔のゆがみが気になるのですが
かみ合わせを治療することで、顔のゆがみは改善されていきます。しかし、歯を並べることだけを目的とした矯正では、歯並びは改善できても顎のズレまでは改善できません。一般的な矯正では顔のゆがみを治すことは困難なのです。これに関しては、かみ合わせを十分に考慮した歯科医師を選ぶ必要があるでしょう。
顔のゆがみは、左右の歯の高さが違うことが原因です。よく噛めないと、下顎の骨が低いほうにズレていきます。この現象は「旋回」と言われ、顎が「ひねり」ながら傾いていきます。